2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

宗教の効用

アラン(1868-1951)は、既存の宗教を信じてはゐなかつたが、その効用は認めてゐた。さうした考へが現れてゐる文章の一例。1914年1月31日のプロポ。 これは、白髪の友達から聞いた話で、彼女は田舎に引つ込んで、汚れた子供たちに教理問答書を習はせてゐた。こ…

日本の交渉術

NHKの番組、『追跡!A to Z「ニッポンは勝ち残れるか 激突 国際標準戦争」』を見る。日本の超高圧送電技術を世界標準にするための、関係者の努力には頭が下がるが、世界を相手にした日本の交渉術について、非常に心許ない思ひがしたのも事実である。…

河上徹太郎『吉田松陰 武と儒による人間像』

河上徹太郎『吉田松陰 武と儒による人間像』に眼を通す。幾つか、興味深い部分を引いて置かう。講談社文芸文庫から引用するので、「現代仮名づかい」。 これらの明治大正の文化的エリート(*)の著作を見ていると、わが文学の本質的な在り方が旧幕以来のそれと…