2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「無意識の意志」

Science 誌の 2 July 2010 号に、"The Unconscious Will: How the Pursuit of Goals Operates Outside of Conscious Awareness"と題するレビュー記事が出てゐる(pp.47-50)。結論部分だけを簡単に訳してみよう。 このレビューと分析は、目標を追ふために必要…

人間の囀り

アラン(1868-1951)は、人間の精神が身体に閉ぢ込められてゐるといふ考へを否定してゐた。さうした彼の意見が窺はれる1921年7月21日のプロポ。 人間の精神は、考へを入れた箱のやうなもので、そこから人は必要な考へを取り出す、と見るのは便利だ。しばしば他…

健康な精神は健康な肉体に

Economist 誌に、病気と知能との関係についての記事が出てゐる(July 3rd 2010, pp.71-72)。ニューメキシコ大学の研究者 Christopher Eppig 等が Proceedings of the Royal Society に発表した論文によれば、世界の国々の感染症の被害と知能指数とを比較する…

生物学2.0

Economist 誌が、"Biology 2.0"と題した特集を組んでゐる(June 19th 2010)。ヒトゲノム解読から10年になるのを機に、その後の変化を振り返つたもので、当初の夢物語は実現してゐないが、着実な進歩がある、といふ論調。 「生物学2.0」は、生気論を完全に…