2019-01-01から1年間の記事一覧

気候変動にどう対するか-古気候学が示すもの-

立命館大学 古気候学研究センター長の中川毅教授の講演「現代の「おだやか」な気候はいつまで続くのか」と題する講演を聴いた。福井県にある水月湖の底の堆積物に現れる縞模様「年縞(ねんこう)」の研究で知られる人だ。講演の概要は、以下のとほり。*1 1…

津野海太郎氏の連載コラム

新潮社のWebマガジン「考える人」に、津野海太郎氏の「最後の読書」といふ連載コラムがある。10月18日の記事は「高級な読者と低級な読者」と題されて、日本の読書史概観とでも言ふべき内容だつた。 「だれにとつても本を読むのはいいことなのだ」、「ただし…

時間の定義

技術の進歩で時間と私達との関係が変はらうとしてゐる。 情報通信研究機構が公開してゐる標準時間のページJST Clockを開くと、日本標準時(JST)と並んで協定世界時(UTC)*1国際原子時(TAI)*2が表示される。日本標準時と協定世界時は9時間ずれてゐるだけだが、…

昭和天皇「拝謁記」

NHKの昭和天皇「拝謁記」は興味深い番組だつた。NHKのサイトには番組の情報が載せられてゐて、放送ではカットされた情報も見ることが出来る。 「拝謁記」は、初代宮内庁長官だつた田島道治が残した昭和天皇との対話の記録で、これまで知られてゐなかつた事が…

『徳富蘇峰 終戦後日記』を読む

終戦の日が近づいたこともあり、『徳富蘇峰 終戦後日記』を読んだ。徳富蘇峰(1863-1957)は、戦前に活躍したジャーナリスト、歴史家で、戦前の一大論客。大日本言論報国会の会長などを務め、戦後は戦争責任者として批判された人である。そんな蘇峰が終戦後に…

スピノザ『エチカ』から

DE LA SERVITURE HUMAINE Chapitre XIII Mais il y faut de l'art et de la vigilance. Car les hommes sont divers (rares, en effet, sont ceux qui vivent selon le précepte de la raison), et cependant, pour la plupart, envieux, et plus enclins à …

ゲンロンβ33を読む

読み応へ十分のゲンロンβ33 ゲンロンβ33は、大変充実した内容になつてゐる。冒頭の3つの記事だけで、おつりが来る感じ。東浩紀氏の「テーマパークと慰霊」を読むと、大連といふ街を訪れて見たくなり、テーマパークの怪しさ、地に足の着かない感じと本物…