プラットフォームとしてのTimedomain

Timedomain のスピーカ+アンプで聴くと、従来のオーディオでの再生と比較して、音の良さがはつきりと分る音源と余り改善が感じられない音源がある。つまり、Timedomain は音源を選ぶのだが、このことは Timedomain が音楽の新しいプラットフォームと成り得ることを意味するのではないか。

1.音源を評価する基盤(プラットフォーム)としての Timedomain

旧来のオーディオは、原音再生には限界があるといふ一種の諦めの上に、それぞれの色を付けた音を出す装置を提供する。これに音源を提供する側も、それぞれが良い音だと信じるものを世に出してゐるが、様々な装置で再生されるのだから、所期の音が聴き手に届いたのか確かめやうがない。

他方、Timedomain には、原音を追究するといふ明確な目標と、これを実現するための確立された技術がある。また、Timedomain mini は、2万円弱といふ手頃な価格なので、多くの聴き手が持つことは無理な話ではない。これが普及すれば、音源を評価するための明らかな基準が定められ、広く共有されることになるのだ。Timedomain といふ確かな物差しで、音源の良し悪しが評価されるやうになる。さうなれば、音楽を作る側、楽しむ側の双方に取つて飛躍的な進歩が可能になるのではないだらうか。

勿論、Timedomain は一つの規準に過ぎず、唯一絶対のものではない、といふ主張はあり得るし、正しい議論だらう。しかし、実際問題として、これまでに Timedomain のやうな明確な方針と高性能、さらには、手に入れやすい価格とを兼ね備へた再生装置が世の中にあつただらうか。

要するに、Timedomain はオーディオの世界で初めてのプラットフォームになる可能性を秘めた技術なのだ。

2.各種の付属機器、関連機器の基盤(プラットフォーム)としての Timedomain

現在、WEB上では、極細のケーブルや、音質をさらに上げるための様々な工夫についての情報が溢れてゐる。Timedomain が普及すれば、これらの付属機器や関連機器を商品化する動きも活発になるだらう。怠け者の消費者の一人として言へば、自分で工作しなくても Timedomain の音がさらに良くなるアクセサリーがあれば、喜んで買ふだらう。

Timedomain の考へ方、品質に合致した付属機器、周辺機器を認証する仕組みを作れば、消費者にとつても安心だし、製品の質も確保されるだらう。さうした認証の仕組みは、国際的に展開することもできる。さうなれば、日本から新たな価値、新たな標準を世界に示すといふ偉業が達成されることとなる。機器の製造・販売ビジネスの面でも、Timedomain はプラットフォームと成り得るのだ。